主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
【目的】ナラ枯れによる枯死木の処理について、資源の有効利用という観点から、枯死木のシイタケ原木への利用について検討した。【方法】ナラ枯れによって枯死したコナラ(胸高直径66.3cm)を約20cmに玉切り・小割し、ポリプロピレン製のフィルター付き耐熱性の袋に詰めた。それをドラム缶内で原木の材内温度が50℃を超えるまで蒸すことによって材内のカシナガを殺虫するとともに原木を殺菌した。原木が冷めた後、シイタケのオガ菌を袋中に振りかけ、室内に安置した。シイタケ菌が原木に蔓延してから袋から取り出し、原木を半日陰の林内に置床した。置床後、4年間に発生したシイタケ(子実体)の発生個数と生重量、傘の大きさを測定した。【結果】ナラ枯れによる枯死木(大径木)でもシイタケ原木として利用可能であることがわかった。シイタケ(子実体)は植菌後、1年目で子実体が発生した。発生個数、生重量は2年目が最も大きかった。発生した子実体の傘の大きさは、徐々に小さくなる傾向が見られた。総発生量(原木重量に対する生重量(%))は原木によって差があり、心材の影響が一因と考えられた。