兵庫県はシカの生息密度が高く、防護柵内にシカが侵入して植栽木が食害を受ける事例が多く見られる。シカ侵入の原因となる防護柵のたるみを低減するには、ネットの支柱間隔を狭めることが確実であるが、支柱設置コストは防護柵設置コストの約1/3を占め、設置者負担が小さくない。そこで、この防護柵の有効高の低下を抑制する安価で効果的な手法として、たるんだネットの上側に設置する「跳び越え防止ロープ」を考案し、その効果について検討した。 経年劣化でロープが伸び、たるみが大きくなることが予想されるため、設置直後と6カ月経過後のたるみを測定した。その結果、支柱間隔を5mに換算したたるみの平均は、設置直後は、跳び越え防止ロープが2.3cm、ネットが27.1cmであり、跳び越え防止ロープはたるみを大幅に縮減し、防護柵の有効高の低下を抑制することが分かった。また、6カ月経過後では、跳び越え防止ロープが10.3cm、ネットが31.7cmとなった。なお、ロープの材質によってたるみ増加量が異なるため、有効高の確保にはロープ材質の選択が重要であることが分かった。