きのこ原木林の更新伐施業地における放射性セシウム(Cs-137)の動態の把握は、福島県におけるきのこ原木の生産再開に向けて特に重要な事項である。そのため、福島県田村市及びいわき市の更新伐施業地において、同一切株から時期別(季節別)に萌芽枝(長さ1.5~2.0m程度)を採取し、部位別に分けてCs-137の分布傾向の変化を調査した。採取した萌芽枝は枝及び葉・芽に選別し、枝はさらに4区分(0~30㎝、30~100㎝、100㎝以上、当年枝)した。また、葉は秋期前に萌芽枝全体をネット被覆し、着葉と落葉に細区分した。その結果、各採取時期によらず萌芽枝は当年枝や葉・芽部分のCs-137濃度が高かった。枝については、萌芽枝の根元部より梢端部へ行くほど高い傾向が見られた。萌芽枝全体のCs-137量(濃度×実重量(乾燥重量))の分布割合をみると、当年枝と葉・芽部分のCs-137量が萌芽枝全体の約半分を占めているが、紅葉・落葉が進む秋期(11月)には葉・芽部分の占める割合が減少する傾向が見られ、落葉前にCs-137の一部分が枝部分に戻る可能性が示唆された。