我々は、事故を起こした原発から南西方向に130km離れた栃木県北部の塩谷町で、放射能降下物である137Csの樹木に及ぼす影響を調査している。事故後5年におけるスギとコナラ木部に吸収された137Cs濃度について、スギは心材が辺材より高いが、コナラは辺材の方が高い値を示した。スギは137Csが心材に集積する特徴を示したが、コナラではそのような現象は観察されなかった。コナラ立木について、樹皮の137Cs濃度は2012年12月から2017年12月の間に、500 Bq / kgdw台から200 Bq / kgdw台と半分以下に減少した。しかしながら、木部は心・辺材ともに、この期間中、濃度の大きな変動は観察されなかった。2014年12月に伐採されたコナラの原木を翌年4月にシイタケ種駒の接種後、スギ林の中で露地栽培し、2017年4月に発生した子実体について調査した。樹皮は、栽培の前後で、濃度の平均値に統計的な差は認められなかった。木部は、菌糸が十分蔓延して材全体が白色を呈し、濃度はほぼ均一な値を示した。子実体の濃度は、ほだ木の汚染程度と、相関が高い傾向を示した。