福島第一原子力発電所事故から7年経過したが、現在でも森林内に沈着した放射性セシウムはリター層や表層土壌に多く確認されている。また森林からの流出は少ないことが報告されており、長期にわたり放射性セシウムが森林内に残存すると考えられる。事故後に植栽された樹木への放射性セシウムの移行および樹体内分布については未解明な部分が多い。そこで本研究は放射性セシウムに汚染されていない苗木を植栽し、放射性セシウムの移行について把握した。調査は福島県郡山市の苗畑と伊達郡川俣町の林地で行い、各調査地にコナラ、コシアブラ、アカマツ、スギを植栽した(苗畑;2012~13年植栽、林地;2015~16年植栽)。2016年に苗畑で2017年に林地でサンプル(葉、枝、樹皮、材部)を採取しセシウム137濃度を測定した。また、土壌の化学性と植栽木の移行係数(TFag)の関係を明らかにするために土壌を採取し、分析した。林地の植栽木では苗畑よりも植栽後の経過時間が短いにも関わらず苗畑の植栽木よりも高い移行係数が確認された。これは土壌のK濃度の違いによるものが可能性として考えられた。また、林地の部位別移行係数では材部が葉、枝、樹皮よりも低い傾向にあった。