主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
富山県西部に位置する砺波平野では、庄川扇状地を中心に散村集落が広く分布する。散村集落の屋敷林は、生活の一部として防災や微気候の改善などの機能を果たし、経済面では用材としての価値が大きかった。屋敷林は散村の環境・景観面からも重要な要素と位置付けられているが、昭和30年代後半からの屋敷林の減少により、散村景観が大きく変化している。本研究では、砺波市内で「散居景観モデル事業」の対象集落となっている五郎丸地区を調査対象地と選定し、今日の屋敷林の構成および利用形態についての現地調査を行った。外観調査は地区内の45軒すべてを対象に、東西南北の4方向ごとにみた屋敷林の分布状況(面数、樹高、主な樹種、管理方法など)、庭の利用状況などを把握した。また、伝統的な屋敷林の形態を保った事例を選定し、毎木調査を行い、配置図を作成するとともに、屋敷林の利用・管理状況について聞き取り調査を行った。さらに、「散居景観モデル事業」など行政施策における屋敷林の維持のための事業実施状況を把握し、今後の屋敷林の保全に関わる課題、保全のあり方について検討した。