主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
地域における人々の生活・生業が生み出す「文化的景観」は、文化財の新たなカテゴリーに加わってから10年以上が経過し、「重要文化的景観」選定地域も50を超えた。こうした文化的景観の捉え方は、共通の地域特性を持ったひとまとまりの視覚的範囲として設定されたコンテンツであることから、地域づくりへの活用にとっても大きな可能性をもっていると考えられる。しかし、景観を生み出した駆動要因である生活・生業の価値を重視し、普段は「見えない」部分が強調されることで、かえって来訪者や一般の生活者にとって景観の価値をわかりにくくしている面も否めない。文化的景観の価値を見る人々に伝え、地域に関わる動機付けを生み出すためには、景観の「直接目に見える部分」と「直接目に見えない部分」の双方を統合的に視覚化できる仕掛けが必要とされている。本研究では、そのような視覚的装置について、① 眺望・展望地点、② メディアに引用されるビジュアル、③ 野外での解説装置、④ 拡張現実、の4種類に整理して、その有効性や計画論を試みたい。