日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-169
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学術講演集原稿
愛媛県内の森林の浸透能
*江崎 次夫河野 修一金 錫宇全 槿雨寺本 行芳
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抄録

【目的】愛媛県内のみならず全国各地で森林の除間伐の遅れに伴って林内の相対照度が低下し、これに伴って土壌侵食の発生や土壌浸透能が低下し、大きな災害につながる可能性が指摘されている。本研究では土壌浸透能を測定し、森林整備の方向性を具体的に検討した。【実験方法】対象地は、愛媛県内の19市町の森林及び松山城および宇和島城などの史跡地の樹叢地である。調査では林内を踏査した後、それぞれの調査地で30ヶ所を選び、簡易浸透試験器を用いて土壌浸透能を測定した。【結果】踏査の結果、林内の林床には下草や落葉落枝は見あたらず、降雨のたびに、雨滴によって土壌表面が叩かれ、土壌侵食が発生している箇所が多かった。これに伴って土壌表面の浸透能が低下し、表面侵食も発生している箇所も確認された。調査地内の相対照度および浸透能の値は、通常に手入れがされた森林に比べて、一部の調査地を除いて5~60%程度と著しく小さな値を示した。この結果を基に、除間伐の早急な必要性を具体的な数値で示した。本研究の一部は、韓国・山林庁(林業振興院)・山林科学技術研究開発事業(課題番号:2017061B10-1719-AB01)の助成を受けて行われた。

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© 2018 日本森林学会
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