日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-235
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学術講演集原稿
ツキノワグマの春季食性の変化と樹皮剥ぎ被害量との関係
*森 智基, 杉浦 里奈, 加藤 真, 林 良太, 三浦 謙介, 加藤 春喜, 泉山 茂之, 新妻 靖章
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抄録

本研究では, ツキノワグマUrsus thibetanusによる樹皮剥ぎの発生要因を検討するため, 樹皮剥ぎ被害量の年次変動に着目し, ツキノワグマの食性の経年変化に伴う栄養価の変動と樹皮剥ぎ被害量との関係を明らかにした。 2008年から2016年の計9年間, 岐阜県大野郡白川村内に踏査ルートを11ヶ所設定し, 4月から8月にかけて月1-2回の踏査を行った。クマ剥ぎが確認された場合は,樹種,胸高直径,新旧,剥皮された傷の幅と長さ, およびGPS位置情報を記録した.また, 踏査中に採取した糞は糞分析法により重要度指数を算出した。また, クマ剥ぎ被害木の形成層と, クマハギが発生する時期にクマが利用する採食物を採取し,それらの栄養価を分析した。その結果, クマによる樹皮剥ぎ被害は春季に堅果類が利用できない年に増加することが示唆された。採食品目の栄養価をみると, ブナの新芽と残存堅果の栄養価は高い一方で, そのほかの草本類と形成層は低かった。以上のことより, 形成層はクマにとって栄養価は低いものの採食物の一つとして認識されており, 残存堅果などの栄養価の高い食物が利用できない年に樹皮剥ぎ被害が増加することが示唆された。

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© 2018 日本森林学会
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