主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
半寄生植物であるツクバネ(Buckleya lanceolata)は、モミやツガ、ヒノキなどの針葉樹林に多く分布するといわれている。一方で、ツクバネは30種以上の多種多様な樹木の根に寄生可能であることが報告されており、特定の樹種が優占する林分にツクバネが偏在する理由はわかっていない。本研究では、ツクバネのホスト選好性を定量的に明らかにすることを目的とした。ツクバネが生育するヒノキ-ツブラジイ林の5地点において、ツクバネの根を含む土壌ブロック(30cm×30cm×深さ10cm)を切り出し、ブロック内の根を洗い出した。ブロック内に存在するツクバネの寄生根の大きさを計測し、ホスト根への付着が確認できたものは、ホスト樹種を特定した。根試料からの樹種の特定は、根粉砕液のスペクトルおよびDNAバーコーディングを併用した。また、ブロック内に存在するホスト候補木の根を、径級別(D≦2mm, 2mm<D≦5mm, 5mm<D≦10mm, 10mm<D)に、ランダムに採取して樹種を特定し、ブロック内の樹種別、径級別の根量を推定した。ブロック内に含まれる樹種別、径級別のホスト候補木の根量と、ツクバネの寄生根の付着数を比較することで、ツクバネのホスト選好性について検討した。