日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: P1-274
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学術講演集原稿
滅菌土壌および非滅菌土壌中におけるナラタケ属菌3種の動態
*山下 翔太郎太田 祐子
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抄録

ならたけ病・ならたけもどき病は公園等の人為的影響の大きい環境下で発生する傾向がある。本病は土壌病害であることから、発生には土壌環境が影響を与えている可能性がある。そこで本研究では、日本大学藤沢演習林から採取した森林土壌とそれを滅菌した土壌を用いてナラタケ属菌3種(ナラタケ、ナラタケモドキ、ワタゲナラタケ)の感染実験を行った。ナラタケ属菌を接種した切り枝に、滅菌した枝が接触するように、滅菌土壌と非滅菌土壌に埋め込んだ。25℃の暗黒条件下で94日間培養後、枝を回収しナラタケ属菌の分離を行った。その結果、滅菌土壌と非滅菌土壌間のナラタケ属菌の検出率には有意な差が認められ、滅菌土壌の方が高かった。滅菌土壌では菌種間での検出率に有意な差が認められたが、非滅菌土壌では有意な差が認められなかった。滅菌土壌からナラタケ、ワタゲナラタケの根状菌糸束が観察されたがナラタケモドキは観察されなかった。非滅菌土壌では根状菌糸束は観察されなかった。土壌中の微生物多様性がナラタケ属菌3種の検出率に影響を与える可能性が示唆された。

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