日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A16
会議情報

学術講演集原稿
三重県北部地域の森林管理におけるNPOの現状と展望
*清水 環松村 直人
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日本では2000年前後から「エコシステムマネジメント」や「森林環境ガバナンス」など森林環境をモニタリングしながら重層的に管理する必要性が議論されてきた。その実施主体としてNPOも範疇とされてきたが、全国的なアンケート調査から得られる平均的な団体像ではその役割は極めて担い難い。しかし、1998年のNPO法の成立以来、非営利活動法人として信頼と実績を積んできた団体も少数ではあるが存在してきた。森林率が低くて人口が多く林業が盛んでない三重県北部地域においてそのような実績を積んできたNPO法人を対象として、今後「森林環境ガバナンス」構築の一翼を担えるか考察した。一方で、近年は国内の森林経営管理制度の始まりや地球温暖化に対処する世界全体の取り組みなど、森林ひいては社会全体において大きな変革の時期を迎えている。収益や効率を追ってきた一般法人は持続可能な環境に配慮することなしに自社を存続させることは難しくなり、森林行政も制度と財源を主体的効果的に活用していく体制が望まれている。各ステイクホルダが変化を余儀なくされている時期にあって、それらの変化に呼応しつつNPO法人もまた変化していくだろう。

著者関連情報
© 2020 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top