日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A35
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学術講演集原稿
森林組合と組合員をつなぐ森林組合地域組織の実態と課題
*笹田 敬太郎都築 伸行
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抄録

 森林組合は地域森林管理の主要な担い手の一つとして期待されている一方、広域合併の進展等によって組合員との関係性の構築が課題となっている。そこで、本研究は森林組合と組合員をつなぐ地域組織(参与委員や連絡員、造林組合等)に注目し、その実態と課題を明らかにすることを目的に、全国の森林組合を対象にアンケート調査を実施し、2002年に行われた地域組織に関する調査結果との比較を含め分析を行った。アンケートの回答組合数は457であり、回収率は74.4%であった。

 地域組織の設置数と設置率は、2002年(361組合,47.7%)から減少しており(2019年:189組合,41.4%)、近年、組織の再編や廃止、新設を行った組合も見られた。地域組織は、広報紙の配布や情報伝達から、集落や団地における意見調整、取りまとめの実施まで、地域や規模によって活動内容や果たす役割は異なっていることが明らかとなった。地域組織が存在する組合の多くは、なり手の不在や世代交代等による組合員の森林への関心の薄れという課題を抱えるものの、地域組織が存在する組合の約6割は「役立つし今後も必要」と回答し、組合と組合員をつなぐパイプ役としての地域組織の必要性が確認された。

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