耳鼻と臨床
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症例報告
遠隔転移を伴う上顎洞原発小細胞癌に対してペムブロリズマブが著効した 1 例
嬉野 悠太脇園 貴裕宮﨑 健柴田 大樹小池 浩次
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2024 年 70 巻 4 号 p. 187-194

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抄録

小細胞癌は多くが肺に発生し、肺外小細胞癌、特に頭頸部原発の小細胞癌はまれで予後不良な疾患である。今回われわれは初診時に多発肝転移、多発骨転移を伴う上顎洞原発小細胞癌に対してペムブロリズマブを投与し、著効したまれな症例を経験したため報告する。症例は 85 歳、男性。右上顎洞を中心に眼窩内、頬骨、篩骨洞へ広がる腫瘍性病変認め、多発肝転移や多発骨転移も認めた。生検で小細胞癌の診断を得たが、高齢であり化学療法は困難と判断し、上顎洞局所への緩和照射および遠隔転移を有する頭頸部癌としてペムブロリズマブの投与を行った。治療開始後 1 カ月の CT で上顎洞や肝臓の病変は縮小がみられ、治療後 6 カ月時点では CR(complete response)となった。過去に同様の報告はないが、ペムブロリズマブが頭頸部小細胞癌に対して化学療法が困難な場合の治療の選択肢となる可能性がある。

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