主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第131回日本森林学会大会
回次: 131
開催地: 名古屋大学東山キャンパス全学教育棟・豊田講堂
開催日: 2020/03/27 - 2020/03/30
養蜂用蜜源植物は、緑肥作物の作付面積が減少し、遊休農地、耕作放棄地が増加するなかで、草本性蜜源に対し木本性蜜源植物の存在が重要性を増している。戦後針葉樹造林地の主伐後再造林と世代間継承に伴う課題、新たな林地開発の動き、広葉樹林管理の粗放化など森林資源事情の変化の中でこの局面をとらえ、養蜂による木本性蜜源の利用実態と資源管理上の課題を明らかにした。
栃木県養蜂組合の協力を得て実施した組合員への調査法調査とその回答をもとに実施したインタビューの結果より、以下の点が明らかとなった。①蜜源として認識される木本性植物は20種(全32種)で、夏場の蜜源不足に木本性植物が重視されている。自ら蜜源を植栽する養蜂家も現れ、針葉樹皆伐跡地への蜜源樹植栽の事例も確認される。②木本性植物の生育場所である森林は農薬からの回避先として重視されるが、栃木県など受粉重視の養蜂業者が多い地域では、蜜源対策に重点がおかれにくいという事情があり、資源管理上の課題として捉え難い。以上、養蜂を介した土地利用上の課題の析出から地域の持続的農林業および部局・異業種間連携に必要な情報を整理しえた段階を報告する。