西日本皮膚科
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症例
そう痒性紅斑にインドメタシン内服が奏効した木村病
高橋 祥子益田 俊樹八木 伸也
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2000 年 62 巻 4 号 p. 472-475

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抄録
62歳の男性。4年前より全身にそう痒のある紅斑が生じている。3年前に右耳下腺部に拇指頭大の皮下腫瘤が出現し,耳鼻科で全摘され,病理組織像は木村病の典型例であった。摘出後,腫瘤の再燃はなかったが,皮疹は改善せず,当科を受診した。全身に紅斑が散在し,著明な好酸球増多と高IgE血症を伴い,カンジダをはじめ,種々の抗原に対するRASTが陽性であった。抗マイクロゾーム抗体,抗サイログロブリン抗体は陽性を示した。紅斑の生検では表皮内に好酸球性水疱,真皮浅~深層血管周囲と間質へのリンパ球,好酸球の浸潤が見られた。抗アレルギー剤が無効のため,インドメタシン(インテバンSP®)を内服し,数日で皮疹は消失した。皮疹の成立に好酸球の関与が考えられた。
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© 2000 日本皮膚科学会西部支部
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