日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: S2-3
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学術講演集原稿
文献資料に見る第二次世界大戦期における松根油生産の概観
*齋藤 暖生
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抄録

松根油とは、一般にマツなど針葉樹の伐根を掘り取ったものを乾留して得られる油脂類を言い、特に第二次世界大戦末期において、航空機燃料の原料として増産が図られた。これが終戦の山地荒廃を招いたとする指摘が多くあるが、実際に山地荒廃にどれほどの影響を与えたかを明らかにする研究は皆無と言ってよい。本研究は、大戦末期の松根油生産が山地荒廃に与えた影響を検討する手始めとして、文献資料を通じて、松根油生産の実態を可能な限り詳細に明らかにすることを目的とした。これにより、以下のような点が明らかになった。1)松根油生産は第二次世界大戦以前から生産が行われていたが、その生産は大戦末期に極限に達した。2)もともと松根油を生産する地域には偏りがあったが、大戦末期になるに従い、全国的に生産されるようになった。3)過剰な松根油生産が山地荒廃につながる危険性が認識されながら、大戦末期には過剰な生産ノルマが設定された可能性が高い。4)松根掘り取り過程に関しては、概ね生産ノルマが達成された。松根油生産が山地荒廃に与えた影響を検討するためには、対象地区を限った上で、各種のアプローチから実態に迫ることが今後の課題となる。

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