主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
近年、気候変動による豪雨の激甚化が顕在化してきた。さらに、今後、更なる気候変動により、土砂災害による被害がより深刻化するおそれが考えられる。気候変動の影響については、過去の事例に基づく気候と災害の関係の分析と数値モデルによる将来予測が一般的に実施されてきている。そこで、本研究でも、日本全国をマクロ的に捉えて、豪雨の頻度と土砂災害の発生状況を分析、考察してきた。その結果、雨の発生頻度と土砂災害の件数、激甚な災害の発生の間には強い関連性があった。しかし、2000年以降と1940年代は、豪雨の発生頻度がいずれも高いものの、1940年代の方が発生状況がより深刻であった。この一因として、1940年代当時、荒廃した山地が広く広がっていたなどの山地環境の違いが影響している仮説を提示した。
そこで、ここでは、数多くの研究が実施されてきた滋賀県田上山地および兵庫県六甲山地における、はげ山の土砂生産・流出の実態やその機構に関してレビューを行い、仮説に関する考察を行った。