主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
光は光合成に植物にとって不可欠であるが、葉への照射光が強すぎる場合、光化学系Ⅱ(PSⅡ)に損傷を引き起こし、光合成活性の低下を導く(光阻害)。 PSIIが過剰な光エネルギーによる光阻害を抑える光防御機構の中に、損傷を受けたPSIIを修復する能力が挙げられる。光阻害のメカニズムは主に草本植物を用いた研究により解析されてきたが、木本植物を用いた光損傷(光不活化)と修復に関する報告は少ない。本研究では、様々な環境に生育する樹種を選定し、草本植物1種、木本植物12種を対象として光阻害の評価実験を行い、木本植物における光阻害防御機構について樹種間比較を行った。実験は、葉緑体のタンパク質新規合成を阻害するリンコマイシンの存在下および非存在下で、葉に強光を照射し、クロロフィル蛍光を測定することで行なった。その結果、13種の植物は、1)強光下で修復能が機能せず光阻害を受けやすい樹種群、2)リンコマイシン存在下でもPSⅡの光損傷が進みにくい樹種群、また、3)光損傷を受けるが修復能力によりPSII活性を維持する樹種群のおよそ3パターンの傾向に分かれた。そこで各々の光阻害防御機構について、葉における光エネルギー分配の観点から考察した。