日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-022
会議情報

学術講演集原稿
浮世絵を資料とした江戸末期の樹木環境の推定復元
*劉 馨遥石橋 整司齋藤 暖生藤原 章雄
著者情報
キーワード: 浮世絵, 江戸時代, 樹木環境
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

江戸時代の浮世絵は庶民芸術として当時の人々の生活の様子、街並みなど江戸の文化が絵として残されたものである。その中でも、風景画は芸術性が評価されている一方、写真のない江戸時代の自然環境を把握することができる貴重な視覚的資料と捉えることができる。本研究では江戸時代に制作された浮世絵などに江戸の町の緑地がどのように描かれているか分析し、江戸時代の江戸の町の樹木環境を復元することを目的とした。江戸後期から末期にかけて制作された歌川広重の「名所江戸百景」等の浮世絵や絵画を資料とし、樹木の描かれた位置による傾向、描いた場所(視点場)による傾向、描かれた地点(視対象)の周囲環境による傾向について分析を行った。分析の結果、江戸の町には武家屋敷や神社仏閣を中心にマツが多く分布していたこと、サクラ、ヤナギ、モミジなどの特定の種はマツ林に混交するように植栽される一方で観賞用としてスポット的に観光地に植栽されていたこと、町民が暮らす町家地域には大きな樹木はほとんどなかったこと、等が明らかとなった。以上の結果に加え、既往の研究成果も参考にして江戸末期の樹木環境を推定復元することが出来た。

著者関連情報
© 2022 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top