主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
木材の燃焼に伴うCO2は、樹木の成長過程で大気中から吸収されたものであることから炭素中立 (カーボンニュートラル) とされ、この概念は気候変動対策として森林バイオマスのエネルギー利用推進の根拠の一つとなってきた。しかし近年、この概念は単純すぎるという批判がある。木材由来の炭素をカウントする場合、バイオマス発電およびバイオマスボイラーは、商用電力および化石燃料ボイラーよりCO2排出原単位が大きいため、大気中のCO2濃度を一時的に増加させる。さらに、森林は、成長・再生に時間がかかり、CO2の再吸収に年数を要する。これらを考慮すると、化石燃料を利用した方が、温暖化は抑制されるのではないかといった疑問が生じる。
CO2収支の定量評価を行うためには、時間軸を考慮し、森林の成長と施業、森林バイオマスの利用および腐朽条件等を詳細に設定しなくてはならない。本発表では、森林バイオマスをエネルギーや木質材料として利用する複数のシナリオ (森林バイオマス利用シナリオ) を作成し、単位森林面積あたりのCO2収支を評価するとともに、森林を伐採せず、化石燃料および非木質材料を利用するシナリオのCO2収支を算定した比較結果を報告する。