主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
樹木は高木になるほど光合成に有利な光環境を獲得できる一方で、根から梢端への水輸送が物理的に困難となることから、高木の樹高成長の制限要因と考えられてきた。このような水分制限を補償する生理学的機構として、スギの高木(Cryptomeria japonica、樹高50m)では梢端ほど葉の貯水性が高いことが明らかとなっている。葉の貯水性には、組織の解剖特性や生体分子と水の物理化学的な相互作用が複雑に関与していると考えられる。
本発表では、顕微赤外分光法をスギの葉横断切片に適用することで、葉横断面上の水や糖類などの分布と定量情報を可視化するとともに、細胞壁上の多糖類と水分子の相互作用を検証した研究について紹介する。顕微赤外分光法により得られたスペクトル情報をもとに、葉の高さにともなう組織ごとの葉の水分子・化学成分の変化を抽出し、また、相対湿度制御下の測定によって葉横断面の水分子の吸着過程を追うことで、新しい側面から葉の水分保持機構について考察することが可能である。