日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: T1-5
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学術講演集原稿
哺乳類と森林管理:ヒグマを例に
*富田 幹次
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キーワード: 人工林, ヒグマ, 哺乳類
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抄録

植林や伐採といった林業に伴う森林環境の改変は野生動物に様々な影響をおよぼす。林業は野生動物に対して必ずしも悪影響をもたらしてわけではなく、改変された森林環境を野生動物が積極的に利用しているケースも数多く報告されている。こうした事例を蓄積していくことは、森林生態系に配慮しながら木材生産を維持していく持続可能な森林管理を達成するために重要である。北半球に広く分布するヒグマは、非常に広い食性を示し、環境変化に対して行動を柔軟に変える。林業に伴う森林環境の改変に対するヒグマの応答は盛んに調べられており、野生動物と森林管理の関係を考えるうえで適切な種の一つである。

この発表では、演者が取り組んできた北海道知床半島のヒグマによる人工林利用についての研究を紹介する。この研究と他地域での研究から分かってきたことを踏まえ、北海道におけるヒグマの生息地管理と林業の関係について議論したい。

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