日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: P-313
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学術講演集原稿
筑後川流域支流寺内ダムにおける流入流木量の時系列変化とその特徴
*小林 優斗宮崎 仁宇田川 理奈五味 高志猪越 翔大
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抄録

本研究は、近年の流入流木量増加とその要因の考察を目的として、九州北部筑後川水系佐田川上流の寺内ダム集水域(51km2:スギ林57%、ヒノキ林33%、その他9 %)を対象とした。1997~2016年まで平均189m3/年のダムへの流入流木量があり、平成29年九州北部豪雨時に最大8563m3/年、それ以降は584~1074m3/年の流入流木量が確認された。平成29年豪雨時の斜面崩壊発生状況をLiDARデータから把握し、3119箇所、崩壊発生面積率1.4%を確認した。森林別ではスギ人工林1750箇所(面積率1.4%)、ヒノキ人工林1010箇所(面積率:1.6%)、その他316箇所(面積率2.0%)であった。崩壊による発生流木量評価を森林簿と地上レーザー計測による林分現地調査から実施し、発生流木量が33294m3と推定された。現地にて堰堤での流木の捕捉を確認したことから、堰堤のある流域の流木流出率を50%と仮定すると、発生流木量のうち流出する流木量は、19711m3と推定され、流出流木の43%がダムで捕捉されていることが予想された。ただし、今後、堰堤のない山地流域の流出流木流出量の評価を行うことで、ダム貯水池の流木生産→上流からの流出→ダムへの流出の検討につなげることができると考えている。

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