主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第133回日本森林学会大会
回次: 133
開催地: 山形大学によるオンライン開催
開催日: 2022/03/27 - 2022/03/29
セシウム(Cs)吸収に及ぼす菌根菌の影響を調べるため、菌根菌ツチグリを共生させたアカマツ実生苗へ、1個体当り212 µMの塩化セシウム水溶液を20 ml添加した。アカマツ苗のCs吸収へのカリウム(K)添加の影響を評価するため、肥料として加えたホーグランド氏液は、Kを含まない組成のものも用意した。Csを添加した3、6および12箇月後に、処理毎に8本のアカマツ苗を掘り取り、菌根化した細根数、樹体の成長量とCs及びK含量を測定した。アカマツ苗の菌根化率はいずれの処理区においても75%程度であり、Cs及びK添加による影響は認められなかった。アカマツ苗の成長量は、菌根菌の接種により有意に増加した。アカマツ苗のCs及びK含量は、菌根菌の接種により有意に増加した。菌根菌接種の有無に関わらず、K施肥によりアカマツ苗のCs含量は有意に減少した。土壌中の交換態K量は、菌根菌の接種により有意に減少した。菌根菌が土壌中の固定態Csを溶出させて、植物が吸収しやすい交換態Csを増加させることが考えられているが、菌根菌は土壌中の交換態Kを効率的に吸収することから、菌根菌が共生した場合でもK施肥によりCs吸収を抑制できることが明らかとなった。