日本森林学会大会発表データベース
第133回日本森林学会大会
セッションID: B8
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学術講演集原稿
公民連携による新たな別荘地管理 ー長野県長和町のマスタープランを事例に
*田中 伸彦木俣 知大宮林 茂幸入江 彰昭平野 悠一郎下嶋 聖町田 怜子
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抄録

長和町は、長野県の中東部に位置する人口5,815人の町である(2022年1月1日現在)。町内には中山道(長久保宿・和田宿)がとおり、観光デスティネーションとしては、北西部に美ヶ原高原が広がり、中央部には黒曜石原産地が存在、南部には複数のスキー場が開設されている。また半世紀ほど前から、都市住民の別荘地需要を背景に、優れた自然と気象条件を活かし、町や財産区などにより8箇所の別荘地が開発されてきた。しかし近年これらの別荘地はインフラ管理や、森林景観管理、世代交代に係る利用継続、販売価格の低迷など課題を抱えている。一方、町内には都市計画区域が存在しないため、別荘地に対する用途区域設定などの都市的管理を制度的に行い難かった。その様な状況のもと、町は2017年に策定された長和町長期総合計画を上位計画として、2021年3月に長和町別荘地マスタープランを策定した。本報告では同プラン策定の経緯や意図を整理するとともに、町内における移住を見据えた集落管理と別荘地管理との棲み分け、行政における別荘地管理への関与、別荘地のライフスタイルの発信の特徴などについてまとめ、報告を行う。本研究はJSPS科研費基盤B (20H04442)の助成を受けた。

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