2000 年 12 巻 6 号 p. 797-805
本論文ではネットワーク上において枝に付随するコストと総コストに対する目標値が共に曖昧である場合の最小木問題を可能性理論に基づくファジィ数理計画問題として取り扱う.まず, それぞれのコストがファジィ数で表される場合を考え, 問題の構造を活かした多項式時間アルゴリズムを構築するとともに数値例を与えて具体的な解法を示す.次にコスト間に相互関係が存在する場合の一つとしてコストが2次形式可能性分布に制限される可能性変数で表される場合を考え, これまでに提案されているアルゴリズムを紹介した後, その一部分を改良することによって, より効率的な解法を与える.