NEUROINFECTION
Online ISSN : 2435-2225
Print ISSN : 1348-2718
教育講演
神経感染症の病理
吉田 眞理
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2024 年 29 巻 1 号 p. 40-48

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抄録

神経感染症の病原体はウイルス、細菌、真菌、原虫(寄生虫)などがあり、病理学的に髄膜炎、髄膜脳炎、脊髄炎、脳膿瘍、脳室上衣炎、脱髄病変などを起こす。組織学的には、リンパ球、好中球などの炎症細胞浸潤、神経細胞の壊死と神経貪食像、杆状ミクログリアやマクロファージの増生を認める。神経感染症の臨床病理像や病変分布は、病原体の量、感染経路、罹病期間、治療などにより修飾を受ける。血管への病原体の浸潤により循環障害を伴うことも少なくない。剖検や生検の病理像では、感度、特異度の高い抗体価やPCRによるDNA の判定が陰性を示しても、病原体を確認しうることがあるため、組織診断を確認することは重要である。

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© 2024 日本神経感染症学会
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