2001 年 13 巻 4 号 p. 406-417
Fuzzy c-Means(FCM法)は目的関数の最適化によるクラスタリング法である。一方、ガウス混合モデルは複数の正規分布を足し合わせて密度関数を表現し、パラメータ推定にEMアルゴリズムを適用する方法で一種のクラスタリング法とも考えられている。本研究ではK-L情報量正則化によるFCM法(KFCM法)を提案し、ガウス混合モデルとの類似点と相違点を議論する。ガウス混合モデルは提案法におけるファジィ度を制御するパラメータλが特定の値を持つときのみ同等のアルゴリズムが導かれるが特定の値以外の場合には対応する混合モデルが存在しないことを示す。そのことから、KFCM法ではパラメータλの値を温度とみなし、アニーリングを行なうことが可能で、クラスタリング結果を改善できることを示す。また、Gustafson-Kesselの制約項を導入したGKFCM法を提案し、ノイズのあるデータに対して可能性的クラスタリングと同様の結果を得ることができることを示す。