1997 年 9 巻 4 号 p. 570-579
本論文では、笑いの程度を分析した心理学モデルにファジィ理論を応用し、話を聞くことにより生じる笑いの程度を推定するモデルを構築している。このモデルの入力には自然言語で表現された環境の快適さ、精神的緊張度、話の愉快さ、想起される感情の程度を用いている。まず快適さ、緊張度から話を聴く前の初期顔の程度をファジィ推論によって求め、顔表情と文章で示す。次に快適さと話を聞いて生じた感情から推定される余裕度と精神的緊張度から得られる笑いの発生条件について考察し、余裕度と愉快度から話を聴いた後の笑いの程度、および付加的笑いの程度をファジィ推論を用いて求め、顔表情とそれを説明する文章を出力している。サンプルを用いたアンケート結果から、本モデルの有効性が確認されている。