抄録
ステンレス製ワゴンの天板上に作製した卵白アレルゲンモデルを用いて、各種試験水(蒸留水、強酸性次亜塩素酸水、微酸性次亜塩素酸水および強アルカリ性電解水)による除去効果を試験した。卵白アレルゲンモデル天板に試験水20mLを均一に広げ、3分間静置(浸漬処理)後、ペーパータオルで全量を拭き取り、イムノクロマト法で卵白アレルゲンの陰性化をチェックした。その結果、蒸留水と強アルカリ性電解水の処理では明瞭な残留が認められたが、次亜塩素酸水の場合は有効塩素濃度に応じて残留が少なくなることが認められた。その後、蒸留水を含ませた布巾で拭き取る作業を行って卵白アレルゲンが陰性になるまでに、蒸留水処理では約8回必要だったが、次亜塩素酸水および強アルカリ性電解水で処理した場合は大幅に少ない拭き取り回数で済むことが認められた。これらの結果は、作業者の経験やスキルに関係なく再現性が認められた。以上のことから、卵白アレルゲン除去のために電解水(次亜塩素酸水や強アルカリ性電解水)は効果的であることが明らかとなった。