日本消化管学会雑誌
Online ISSN : 2435-8967
Print ISSN : 2433-3840
原著
早期胃癌に対するESD治癒切除後に外科的胃切除を要した症例の検討
長井 一樹吉田 尚弘宇都宮 まなみ川崎 梓中西 宏佳土山 寿志
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キーワード: 早期胃癌, ESD, 外科的胃切除
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2025 年 9 巻 1 号 p. 25-34

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抄録

早期胃癌に対するESDで治癒切除が得られ胃が温存された症例でも,その後外科的胃切除を要することがある.そのような症例の頻度や特徴は明らかでなく,2007年から2017年に当院で胃ESDを受け治癒切除となった症例について検討した.886例中23例(2.6%)で胃切除を要していた.17例がESD後発見の胃癌に対する胃切除で,理由として多発病変の見逃し,検査間隔の延長などがあった.6例はその他の理由による胃切除であった.胃切除と関連する因子は同定できなかった.5年胃温存生存率は95.0%であった.ESD後に質の高い内視鏡検査を継続するとともに,外科的胃切除を要する症例の存在を認識することも重要である.

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