2025 年 9 巻 1 号 p. 14-24
自己免疫性胃炎(AIG)を初期,早期,中期(活動期),進行期~終末期の4病期に分類し,それぞれの臨床検査所見,病理像,内視鏡所見を概説した.まず,自己抗体,ガストリン,ペプシノゲン(PG)I・PG I/II比の病期に応じた変化と特徴,診断契機となる留意点,2つの貧血とそれらに関連する症候について解説した.次に,病期別の病理組織像とそれに対応する内視鏡所見を提示し,病理像に基づく内視鏡診断の重要性を示した.さらに,AIGに合併する胃癌に関する論点を紹介し,またHelicobacter pylori(H. pylori)感染との関係とAIG合併H. pylori感染診断の課題について論じた.