日本庭園学会誌
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論文
山縣有朋の自然観と作庭観
渡邉 美保子
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2013 年 2013 巻 27 号 p. 27_41-27_49

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抄録
山縣有朋(1838~1922)は、明治・大正期の陸軍軍人、政治家である。邸宅を構えるごとに自ら指揮をとり築庭した。現存する3つの庭園のデザインを見ると、椿山荘(1878)ではもともとあった自然の地形、谷、湧水、自生していた植物を生かして作庭したのに対し、無鄰菴(1894)と古稀庵(1907)では、水を引き入れ造成し苗木を植樹した。山縣の作庭手法には、自然の「間」を読み取り、自然を原寸で写し取るという独自性が看取できる。
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© 2013 日本庭園学会
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