2015 年 10 巻 1 号 p. 1-16
直接基礎を有する橋梁構造物について,地震時に基礎が浮き上がることや基礎地盤が非線形化することは橋脚の断面力を低減することが指摘されている.本研究は,基礎の浮き上がりを考慮できるよう改良されたマクロエレメントモデルを用いて,基礎の浮き上がりや地盤の材料非線形が地震時の橋脚に発生する断面力に及ぼす影響を検討するものであるが,特に入力地震動の周波数特性の違いによる影響について検討している.検討の結果,基礎の浮き上がりや地盤の材料非線形による橋脚の断面力低減の効果は,入力地震動の周波数特性によって大きく変化し,その程度は,入力地震動の強度特性の影響も受け複雑に変化することがわかった.さらに橋脚の断面力低減効果について,検討対象システムに入力された地震動のエネルギーの収支に基づいて考察を加えた.