本研究では,東日本大震災と福島第一原発事故により大量に発生した震災廃棄物と除染発生土を対象とした海面処分場に用いる遮水地盤材料の可能性を検討している。現地で採取した廃棄物・土壌の調査結果にもとづいて,放射性セシウムを含む廃棄物および土壌を安全に処分するため底面遮水に用いる地盤材料の目標性能(透水係数5.0×10-10m/s以下,吸着率90%)を設定した。徳山港粘土とベントナイトを混合した供試体を用いて,遮水性能について段階載荷圧密試験を行い試験から得られる透水係数により評価した。吸着性能については供試体と安定セシウム溶液を混合させ攪拌させる振とう攪拌試験と圧密した供試体に安定セシウム溶液を通水させる圧密通水試験を実施することにより評価した。本地盤材料を用いて海面処分場の底面遮水を行う場合を検討した結果,設定した目標性能を達成できることを示した。