地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文
節理性岩盤におけるグラウト注入モデルに基づく一考察
岸 裕和小林 薫角江 俊昭
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2018 年 13 巻 4 号 p. 359-378

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抄録

グラウト注入のモデルは,合理的な施工の追究のため検討が重ねられている。筆者らは,情報化施工への利用を視野に入れ,幾何学的パラメータを限定した平行平板間放射流モデルを提案する。グラウト流動形態には乱流および層流があり,本モデルには両者が考慮される。このため,岩盤内浸透場における乱流と層流の遷移条件である限界レイノルズ数の把握が重要であり,本研究では単一割れ目による室内試験に加え,高粘性流体を使用した原位置試験による評価を行った。これらの結果を踏まえ,懸濁液型グラウトが有する非ニュートン流体の粘性特性を反映し,乱流と層流を取り扱う平行平板間放射流モデルの理論式を新たに構築した。さらに,グラウト到達半径を制御する狙いから,合理的なグラウト注入条件に関する予察的解析により,透水性および限界レイノルズ数に応じたグラウト注入仕様に関し新たな知見を示した。

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© 2018, 公益社団法人 地盤工学会
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