2014年8月20日に広島市安佐南区ならびに安佐北区周辺で,大規模な土石流が発生した。本研究では,土石流の発生した複数の渓流で現地調査を行い,沖積錐の端部付近で堆積物の中に含まれる炭化物を採取し,その14C年代測定を行った。また,下流域付近では,ジオスライサーを用いて堆積物の連続採取を行い,地層の構成物とその堆積状況を観察した。調査は,広島市安佐北区から安佐南区にかけての4地区で実施し,土石流堆積物の地層構成と過去の土石流発生の時期の解明を進めた。その結果,過去7回の土石流が識別され,その発生間隔はおおよそ150年〜400年と推定できた。