2020 年 15 巻 1 号 p. 171-179
通常,硬質岩盤の強度・変形特性は,岩盤の潜在亀裂や礫の混入による不均質性を適切に考慮できるよう,原位置において比較的大きな供試体に対して行う岩盤試験(平板載荷試験及び岩盤せん断試験)によって評価されるが,応力-ひずみ関係が直接求められない等の課題が指摘されている。本研究では,室内三軸試験と同様に応力-ひずみ関係を評価できる原位置三軸圧縮試験を用いて,青森県下北郡東通村に分布する凝灰岩及び火山礫凝灰岩の2岩種を対象に試験を行い,強度・変形特性を再評価し,過去に実施した岩盤試験の結果との比較を行った。その結果,原位置三軸圧縮試験により原位置岩盤の応力-ひずみ関係を直接得ることができ,既往の岩盤試験結果の妥当性とその課題を検証することができた。