2020 年 15 巻 2 号 p. 327-337
戸建住宅の地盤調査では,事前調査およびスウェーデン式サウンディング試験を主とした原位置試験を行うのが一般的である。圧密沈下を検討する場合は,圧密試験を実施し圧密諸定数を正確に把握することが望ましいが,経済的な理由により実施されることが少ない実状にある。本論文では,複数の宅地にて採取した浅部の沖積粘性土試料を用いて実施した室内土質試験結果の品質評価ならびに比較結果を吟味し,それらの含水比から概略的に物理特性や力学特性を推定し,圧密沈下量を予測する方法を提案した。また,実物件における圧密沈下量の実測値からその有用性について検証したところ,圧密試験結果から得られる沈下量と同等以上に沈下量を予測する方法であることを確認した。