2021 年 16 巻 2 号 p. 143-157
本研究では,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率測定のための検量線作成方法を実験的に検討するため,初めに,既往の研究より調べた各種炭酸カルシウム含有率試験の概要をまとめた。次に,ガス圧定量法を用いた初期型および改良型の試験装置を作製することで炭酸カルシウム含有率試験結果に影響を及ぼす要因について検討を行った。得られた結果より,これまで,試験者の判断に委ねられていた試験方法に対して下記に示すような試験条件を用いることで検量線を作成することができた。「(1)振とうには台車を使用する,(2)塩酸濃度は3mol/Lとする,(3)塩酸添加量は30mLとする,(4)振とう方向は圧力計のダイヤフラム面に対して垂直とする,(5)振とう速度は3回/秒とする,(6)振とう時間は50秒とする,(7)圧力の測定は振とう開始後60秒とする。」