2022 年 17 巻 2 号 p. 147-157
落石調査の効率化を目的に,地形量図と機械学習による落石発生源箇所の検出手法について検討をおこなった.現在,点検個所の見落としによる落石被害が報告されており,道路防災点検を確実に実施するための手法が必要となっている.これに対して,航空レーザ測量の活用が注目されている.中でも,計測データから作成する地形量図を活用することで効果的な点検が期待できる.本研究では機械学習を応用した物体検出を地形量図へ適用し,落石発生源の机上検出を行うシステムを提案する.地形量図の 1 種であるウェーブレット解析図をベースに,サポートベクトルマシンによる物体検出を適用した結果,既存の点検個所すべてを検出することに成功し,道路防災点検の効率化に向けたツールとして有効であることが示された.