2023 年 18 巻 2 号 p. 97-107
著者らは遊離Caを含むばいじんのCO2固定化の研究を行い,CO2ガスとばいじんを反応させるCO2固定化用プラントを提案する。本研究はプラントへの試料選定時有効指標の提案を目的とし,反応速度と平均粒径,およびCa2+溶出量の関係性を評価した。試料は平均粒径とCa2+溶出量が異なる3種のばいじんを選定し,反応速度は一定流量通気型CO2固定化試験から算出した。その結果,平均粒径が最小,Ca2+溶出量が最大の試料は最大の反応速度を,平均粒径が最大,Ca2+溶出量が最小の試料は最小の反応速度を示した。以上から,平均粒径,およびCa2+溶出量が反応速度の大小に有意な影響を及ぼすと示唆された。