地盤工学ジャーナル
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論文
形状を考慮した簡便な盛土の固有周波数算定式
秦 吉弥加納 誠二山下 典彦横井 芳輝土田 孝
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2007 年 2 巻 3 号 p. 197-207

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抄録

地震時における盛土のすべり変位量算定手法の1つとしてNewmark法が挙げられる.しかしながらNewmark法では盛土の振動性状が考慮されていないことから,その振動性状を考慮した修正Newmark法が提案されている.修正Newmark法では盛土を1自由度振動モデルでモデル化を行うため,盛土の固有周波数を算定することが必要不可欠となる.一般に,固有値解析を行えば厳密な盛土の固有周波数が算定可能であるが,行列計算等が含まれるため設計実務において採用するには非常に煩雑である.そこで本研究ではレイリーの方法を用いた近似解で示される盛土形状を考慮した簡便な盛土の固有周波数算定式を提案する.そして本提案式の妥当性を検証するため,盛土形状がすべて取り入れられていない既往の固有周波数算定式,固有値解析結果,ならびに振動台模型実験結果との比較検討を行った.その結果,本提案式は十分な精度で盛土の固有周波数を簡便に算定可能であることがわかった.

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© 2007 公益社団法人 地盤工学会
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