2026 年 21 巻 2 号 p. 283-298
第一海堡は,江戸時代中期のロシアの南下政策への対抗として,首都東京を防備するために1890(明治23)年に,東京湾口部の千葉県富津岬沖1,200mの海域に設置された。この人工島は,海砂によって標高14mまで盛土されているが,降雨や台風時の海水の波浪等による砂の流失によって,護岸や砲台等の沈下・滑動・崩壊等が著しい。第一海堡は存亡の危機にある。本稿は,第一海堡建設の設計,施工,工学的価値等を考察して,この遺構の惨状を地盤工学的に分析して将来の保存方策を考察した。