抄録
高レベル放射性廃棄物処分場で緩衝材として使用する圧縮ベントナイトを対象として,主に不飽和状態でのせん断挙動の把握を目的とし,高拘束圧一面せん断試験装置を用いて定体積せん断試験を行った。同時に,供試体に生成するせん断帯に着目し,試験中の供試体をPIV画像解析により,試験後の供試体内部をX線CTにより観察した。過圧密状態にある不飽和圧縮ベントナイトは,せん断初期から脆性的な破壊挙動を呈し,せん断帯も大きな亀裂を伴って生成されることが示された。ベントナイトの膨潤性によって,浸水に伴いせん断帯の亀裂は短時間で閉塞することが確認された一方で,飽和圧縮ベントナイトの一面せん断試験結果より,飽和状態でのせん断抵抗角は不飽和状態よりも急激に減少することもわかった。