抄録
地形・地質・気象・土地利用条件などの様々な要因により,我が国には多数の危険な岩盤斜面が広範囲にわたり分布している。対して,危険な岩盤斜面の対策に投じることができる費用は限られており,全ての危険な岩盤斜面に対策を講じることは不可能に近い。そのため,多数存在する危険な岩盤斜面の中から,対策の必要性が高い岩盤斜面を抽出する概略的なスクリーニング技術が必要である。本研究では,岐阜県をモデル地域として,岐阜県に存在する種々の岩種のボーリングコアを用いたティルト試験を行い,すべり摩擦角のデータベースを構築するとともに,既存の評価手法を改良して,岩盤斜面の概略的なスクリーニング手法を開発した。