2009 年 4 巻 2 号 p. 171-183
コンクリートやアスファルトなどの産業廃棄物の処分量はリサイクルにより減少している。しかし,伐採樹木は十分にリサイクルされていない。近年,生分解性プラスチックを加えることにより,伐採樹木の材料特性を改良する試みが様々な分野で行われている。本研究では木材から再生した生分解性粒状材料の力学的安定性について調べた。本文では,本材料を高含水比の粘土中に最大720日間埋設し生分解率を測定し,その後一連の土質試験を行い,生分解に伴う粒状材料の力学的挙動の変化について調べた。主な結論を以下に示す。1) 他の材料と比べて本材料の生分解率は低い。2) 埋設期間が増加すると生分解率は上がり,単粒子強度は減少する。3) 集合体としての排水せん断強度と液状化強度は生分解による劣化の影響はみられない。