2010 年 5 巻 2 号 p. 391-400
炭酸カルシウム結晶を析出させた砂の液状化特性を明らかにするため,ゆるい炭酸カルシウム析出砂の非排水繰返し三軸試験を行った。また,析出した結晶による砂粒子間のボンディング形成の有無が液状化抵抗に及ぼす影響を調べるため,結晶析出砂を撹乱・再構成し,ボンディングの効果を除去した供試体の試験も行った。その結果,砂供試体中に析出した結晶は,ゆるい砂の液状化強度・変形特性を著しく改善することが分かった。液状化強度の増加は,結晶により形成されたボンディングが主たる要因であること,結晶析出砂の液状化強度は,正規化せん断弾性係数と液状化強度の関係を基に評価できることが明らかとなった。