地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
論文(通常論文)
隅角部を有する斜面の極限平衡法による三次元安定解析
森政 信吾三浦 均也
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 5 巻 2 号 p. 401-410

詳細
抄録
斜面は通常三次元形状を有しており,そのような斜面の形状は安定性や破壊モードに大きく影響すると考えられる。著者らはこれまで,三次元斜面として水平面において湾曲を伴った均質な粘性土斜面を取り上げて,極限平衡法に基づいた三次元安定解析を行い,斜面の湾曲形状が安定性や臨界すべり面形状に及ぼす影響について考察した。本研究では,隅角部を有する直線状の斜面を対象に解析を進め,隅角部の存在が斜面の安定性に及ぼす影響や臨界となるすべり方向について検証した。解析では,2方向のすべり破壊に対する安定性を計算し,その結果を比較検討した。解析の結果,斜面の中心線方向へのすべり破壊に対してはすべり面の幅に臨界値が存在し,その斜面における安定係数の最小値,およびすべり面の臨界(最大)形状が得られることが分かった。また,隅角斜面では,斜面の傾斜角や隅角部の屈曲の度合い,またすべり面の上限幅に応じて,臨界となるすべり破壊の方向が変化することも分かった。
著者関連情報
© 2010 公益社団法人 地盤工学会
前の記事
feedback
Top